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飛行時間型二次イオン質量分析装置│アルバック・ファイ社製(PHI nanoTOF 3+:TOF-SIMS)製品紹介│三弘エマテック株式会社

飛行時間型二次イオン質量分析装置│アルバック・ファイ社製(PHI nanoTOF 3+:TOF-SIMS)製品紹介│三弘エマテック株式会社
型式 PHI nanoTOF 3+
メーカー アルバック・ファイ㈱
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製品説明

性能(ビスマスエミッタチップを使用時)

・無機材料での質量分解能(m/⊿m):Si(28Si)にて15,000以上

・有機材料での質量分解能(m/⊿m):PET(104u)にて15,000以上

・最小ビーム径:50nm(空間分解能優先モード)、0.5μm(質量分解能優先モード)

 

設置事項(標準構成)

【ユーティリティ】

電力:200~230V・交流・単相50A・50/60Hz

接地:D種

圧縮空気:550~700kPa

乾燥窒素:最大18kPa

Arガス:純度99.9995%以上

 

【環境条件】

静磁場:100μT(1G)以下

磁場変動:0.3μT(3mG)以下

振動:速度6.35μm/sec以下(1~100Hz)

温度:24±3℃

湿度:70%以下(ただし、結露しないこと)

 

【搬入・設置】

搬入間口:幅最小1,410mm、高さ最小2,050mm

推奨床面積:3,900mm×3,400mm

(MS/MS オプション選択の場合、最小2,500mmの天井高さが必要となります。)

 

【オプション】

・パラレルイメージングMS/MS

・アルゴンガスクラスターイオン銃

・C60イオン銃

・セシウムイオン銃

・アルゴン/酸素スパッタイオン銃

・試料冷却加熱機構

・試料高温加熱機構

・トランスファーベッセル

・酸素リーク機構

・FIB(Focused lon Beam)専用銃

・前処理室

・各種特殊ホルダー

・オフラインデータ処理システム

・Static SIMS Libraryなど

 

【TOF-SIMSのポテンシャルを引き出す多彩なオプション】

大気非曝露 加熱冷却

PHI GENESISやPHI VersaProbeシリーズでお馴染みの25mm試料冷却加熱ホルダーが、

そのままPHI nano TOF3+でも使用可能になりました。

この試料ホルダーは、トランスファーベッセルを介した大気非曝露での試料搬送を可能にします。

 

多機種間で互換性のあるトランスファーベッセル

試料を大気に曝露することなく装置に導入するためのオプションです。

グローブボックスの中で取り付けた試料を、そのままの雰囲気で装置に導入することが可能です。

リチウムイオン電池など、大気と容易に反応する試料に必須です。

トランスファーベッセルは他の分析装置と互換性があるため、

複数の表面分析手法による複合的な分析が可能になります。

 

試料導入室用グローブボックス

試料導入室に直結可能な着脱式のグローブボックスです。

リチウムイオン電池や有機EL材料など、大気と反応しやすい試料を低い露点を保持しつつ

直接試料ステージに取り付けることが可能です。

また、冷却測定後の試料交換時に霜の付着を防ぐことができます。

 

アルゴンガスクラスターイオン銃

アルゴンガスクラスターイオンビーム(Ar-GCIB)を用いることで

有機材料の低損傷イオンエッチングが可能です。

有機化合物の分子構造を維持したまま深さ方向分析を行うことができます。

 

セシウムイオン銃およびアルゴン/酸素イオン銃

無機材料の高感度分析でスパッタイオン銃として使用され、

二次イオンの増感効果が期待できるセシウムイオン銃(負イオン分析)と

酸素イオン銃(正イオン分析)です。

 

※製品画像はメーカーより許可を得て掲載しています

※機器のスペック仕様は、各メーカーのカタログ掲載値を引用

特徴

複雑な形状も高い精度で測定するTRIFT型アナライザー

多様な形状の試料に適したTRIFT型アナライザー広いバンドパスエネルギーと

広い取り込み立体角

二次イオンはエネルギーと角度を持って試料表面から放出されます。

そのため、まったく同じ質量の二次イオンでも、アナライザー内で飛行時間差が生じます。

特に高低差や凹凸のある試料では、その影響が顕著になります。

飛行時間差は質量分解能の悪化につながるばかりか、

スペクトルの形状やバックグラウンドに大きな影響を及ぼします。

TRIFT型アナライザーは、エネルギーと放出角度の違いによって発生する飛行時間差を

同時に補正することができます。

これが最大の特長で、高質量分解能と高検出感度を同時に実現し、なおかつ影の少ないイメージングを可能にします。

 

高精度測定を実現する一次イオン銃

洗練されたイオンビームテクノロジーにより、高空間分解能と高質量分解能を実現

PHI nano TOF3+は、高質量分解能モードで500nm、高空間分解能モードで50nmの高い空間分解能でのTOF-SIMS分析を提供します。

高輝度イオン源、高精度パルス機構、高分解能アナライザーを組み合わせることで、

低ノイズかつ高感度・高質量分解能測定を実現します。

いずれのモードにおいても数分で測定が完了します。

 

TOF-SIMS初の絶縁物多試料の無人測定

新開発のオート試料バイアス調整機能により、①イントロ写真撮影、

②イントロ写真上で希望の測定箇所を指定、③測定開始ボタンの押下の3ステップで

多数の絶縁物試料の無人スペクトル測定やデプスプロファイリングが可能となりました。

従来は熟練者が装置に付きっきりで測定を行う必要がありましたが、初心者でも高品質のデータが取得することが可能となりました。

 

全自動試料搬送(パーキング)

アルバック・ファイの全自動XPS装置300台以上で実績を持つ試料搬送ステージを採用しています。

試料サイズは最大100mm×100mmまで対応しており、さらに分析チャンバーには

パーキング機構が標準で内臓されています。

 

新開発パルス化Arイオン銃によるターンキー帯電中和(特許)*アルゴンイオン銃選択時

PHI nano TOF3+は、測定試料ごとの調整が不要なターンキー帯電中和を採用しています。

ターンキー帯電中和とは、低速電子と低速Arイオンを同時に照射する独自の帯電中和技術です。

パルス化した低速電子およびArイオンにより、絶縁物試料の種類や形状、

また取り込むイオンの極性に関係なく容易な帯電中和が可能です。

他の追従を許さない真の自動運転を実現します。

 

リモートアクセス機能による装置の遠隔制御(遠隔操作)

PHI nano TOF3+では、社内LANやインターネットを経由した装置へのアクセスを可能にします。

試料ホルダーを予備排気室に取り付けるだけで、試料導入、オプションすべてを含む測定条件の設定、

パーキングとの試料交換、測定から分析まで遠隔操作で行うことが可能です。

 *リモート診断に関しては、アルバック・ファイ:カスタマーサービス部へお問い合わせください。

 

断面加工から迅速なTOF分析へ

標準搭載イオン銃によるFIB(Focused lon Beam)機能

PHI nano TOF3+の測定用の液体金属イオン銃にはFIB加工機能が備わっています。

これにより、1台のイオン銃で断面加工から断面TOF-SIMS観察まで可能になります。

加工から観察までは、コンピューター操作により短時間かつ簡単に行うことが可能です。

また、冷却しながらの加工も可能です。

ステージを180度回転後、同じ視野に戻ってくることができるユーセントリックローテーション機能により、

FIB加工箇所の特定が容易に行えます。

 

パラレルイメージングMS/MSによる分子構造解析(オプション)

パラレルイメージングMS/MSによるMS1/MS2データの同時取得(特許)

通常のTOF-SIMS用のアナライザー(MS1)に、タンデム質量分析計(MS2)を搭載することで、

高感度、高速でかつ表面の分子構造をほとんど壊さないスタティックな条件下で、

同一の測定視野のMS1およびMS2データを同時に取ることが可能です。

MS1スペクトルは、検出可能なすべての成分が検出されることと、フラグメンテーションによって発生する大量のマスピークのため複雑になりがちです。

一方、プリカーサーセレクターによって抽出・分岐して得られたMS2スペクトルは、シンプルなスペクトルパターンとなり、

末端基や直鎖あるいは二重結合などの分子構造に関する情報が得られると共に、特定の分子構造のイメージングを可能にします。

 

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