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故障かな?真空ポンプが動かない4つの主な原因
真空ポンプが動かなくなる原因は、実は単純な見落としであることも少なくありません。まずは落ち着いて、以下の可能性を確認してみましょう。
① 電源・電気系統の問題
基本中の基本ですが、意外と多い原因です。「動かない」という症状の場合、まずはここを疑いましょう。
- 工場のブレーカーは落ちていませんか?
 - ポンプ本体の電源プラグはしっかりコンセントに刺さっていますか?
 - ケーブルがどこかで断線したり、踏まれたりしていませんか?
 
② オイルの問題(油回転式の場合)
オイルはポンプの血液のようなもの。
オイルの量が少なかったり、汚れてドロドロになっていたりすると、ポンプは正常に作動できません。
- オイルレベルゲージを見て、規定量入っているか確認しましょう。
 - オイルの色が黒く濁ったり、異臭がしたりする場合は、オイルが劣化しているサインです。
 
③ モーター・駆動系の不具合
「ウィーン」という異音や普段と違う振動がある場合、モーターやベルトなど、動力を伝える部品に問題が起きているサインかもしれません。
- 長期間の使用によるモーターの摩耗やベアリングの劣化
 - モーターの力を伝えるカップリング(継手)やベルトの破損
 
④ 吸気・排気系の詰まりや漏れ
ポンプは動いているのに真空度が上がらない場合、空気の通り道に問題がある可能性が高いです。
- 吸気口のフィルターが目詰まりしていませんか?
 - 配管の継手など、どこかから空気が漏れている(リークしている)可能性も考えられます。
 
これらに当てはまらない場合は、ポンプ内部の部品摩耗など、専門的な診断が必要です。
修理を呼ぶ前に!自分でできる3つの安全チェック
専門業者に連絡する前に、以下の3点だけ確認しておくと、その後のやり取りが非常にスムーズになります。
- 【見る】電源ランプは点灯しているか?
 - 【見る・嗅ぐ】オイルの色や量、焦げたような異臭はないか?
 - 【確認】吸気側や排気側のバルブは、正しい位置(開または閉)になっているか?
 
⚠️ ご注意
これらの確認で解決しない場合、ご自身での分解や調整は絶対におやめください。感電やケガの危険があるだけでなく、かえって故障を悪化させ、修理費用が高くつく可能性があります。
スムーズな修理依頼のコツと流れ
いざ修理を依頼する際、以下の情報をまとめてお伝えいただくと、原因の特定や部品の準備が早まり、結果的に解決までの時間短縮につながります。
【ポンプの情報】
機種名・型番・製造番号(本体側面の銘板に記載されています)
【使用状況】
普段の運転時間、流しているガスの種類、設置環境など
【トラブルの状況】
いつから、どんな症状か(例:昨日から急に動かない、ガラガラと異音がするなど)
ご依頼後は、技術者がお伺いしての現地での点検・修理、またはポンプをお預かりして工場で修理を行うセンドバック対応が一般的です。
💬 知っておきたいポイント:修理か、買い替えか
古い機種の場合、メーカーの部品供給が終了していて修理が難しいことも。その際は、最新機種への買い替えと修理費用を比較検討することをおすすめします。
省エネ性能が向上し、長期的なコストメリットが出る場合もありますので、判断に迷われた際は、ぜひ専門業者にご相談ください。
まとめ
真空ポンプが動かない時は、まず「電源」「オイル」といった基本的な箇所を確認してみてください。
それでも原因が特定できない場合は、迷わず専門家へご相談いただくことが大切です。
トラブルの小さなサインを見逃さずに早めに対応することこそが、ポンプを長く安全に使い続ける一番の秘訣です。
真空機器の総合商社である三弘エマテックでは、販売だけでなく、修理・整備・メンテナンスも承っております。
真空ポンプに関するお困りごとがございましたら、どのような内容でもお気軽にご相談ください。