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今さら聞けない「真空」とは?原理・種類・用途をわかりやすく解説!

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「真空」と聞いて、あなたはどんな状態を想像しますか?
「空気がまったくない空間」というイメージが強いかもしれませんね。

実は、私たちの身の回りにある真空は、「空気が限りなく少ない状態」のこと。完全にゼロではないんです。
この真空状態は、スマートフォンや半導体の製造など、身近なところで活躍しています。

この記事では、「そもそも真空って何?」という基礎から、種類や用途まで、専門知識がない方にもわかりやすく解説していきます。

真空とは「大気圧より低い状態」のこと

科学の世界でいう「真空」は、「空気がまったくない状態」というわけではありません。
正確には、「私たちが普段暮らしている大気圧よりも低い圧力の状態」を指します。

私たちが地上で感じている圧力は、およそ101,325Pa(パスカル)。これよりも空気が少なく、圧力が低い状態が真空です。

実は、完全な真空は自然界には存在せず、人工的に作り出すことも非常に難しいと言われています。

なぜ「圧力が低い」と便利なのか?

気体分子が少なくなることで、物質の特性を思い通りにコントロールできるようになります。

たとえば、次のようなメリットがあります。

  • 酸化(サビ)を防ぐ
    空気に触れると酸化してしまう物質も、真空状態なら品質を保てます。
  • 熱が伝わりにくくなる
    魔法瓶のような保温・保冷機能を持つ製品に応用されています。
  • 精密な加工が可能になる
    電気の流れや粒子の動きをコントロールできるため、ナノレベルの精密な加工に欠かせません。

このように、真空環境は私たちの生活の幅広い分野で活躍しているのです。

用途によって使い分ける4つの真空レベル

産業の世界では、目的に合わせて「どのくらい空気を少なくするか」というレベルを調整して、さまざまな真空状態を作り出して活用しています。

  • 低真空(10⁵~10² Pa)
    空気がやや薄い状態。食品の真空パックや、製品の真空成形などで利用。

  • 中真空(10²~10⁻¹ Pa)
    化学実験や蛍光灯などで利用。

  • 高真空(10⁻¹~10⁻⁶ Pa)
    スマートフォンのディスプレイ、一部の医療機器、魔法瓶の断熱層などで利用。

  • 超高真空(10⁻⁶ Pa以下)
    ほとんど空気が存在しない、最高レベルの真空。電子顕微鏡、粒子加速器など、高度な技術を要する分野です。

真空の原理と真空ポンプ

真空の原理は、「空間から気体分子を取り除き、圧力を下げること」にあります。
そして、この作業を行うために欠かせないのが、「真空ポンプ」という専用の装置です。

  • 油回転真空ポンプ
    構造がシンプルで安定しているため、多くの分野で使われています。空気を吸い出す際に油を使うのが特徴です。
  • ドライ真空ポンプ
    油を使わないため、クリーンな環境が必要な場所に適しています。半導体製造のように、わずかな油分も許されないような場面で活躍します。
  • ターボ分子ポンプ
    プロペラのような羽根を超高速で回転させて、空気分子を叩き出すことで真空を作り出します。超高真空が必要な、電子顕微鏡や加速器といった最先端の研究分野で使われています。

まとめ

真空は、食品保存から宇宙開発に至るまで、真空技術は私たちの生活と未来を支える欠かせない要素となっています。

三弘エマテックでは、こうした真空技術をより多くの現場で活用できるよう、装置の選定から導入・保守までを一貫してご支援しています。
真空に関する疑問や導入のご相談がありましたら、どうぞお気軽にお問合せください。

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